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維持管理

AIが埋設管を判断するAIレーダーロケーター

  • 2022年日本ガス協会技術賞

概要

レーダーロケーターの画像判定には熟練者のノウハウが必要となる場合がありますが、AIにより判定を自動化することで、埋設管の位置を誰でも把握できるようになりました。

レーダーロケーターの画像判定

背景

道路に埋設された様々なインフラ設備

道路には様々なインフラ設備が埋設されており、ガス工事にあたって掘削する際は、各埋設管を破損しないように注意が必要です。図面情報などを参考にして各埋設管の位置を推定しますが、大阪ガスネットワークでは他のインフラの重要な埋設管の位置を精度良く特定するために、レーダーロケーターを活用しています。これにより浅い埋設管のカッター切り破損の防止や、試掘(埋設管の状況を確認するための手掘り)箇所の削減が可能です。

探査の原理

レーダーロケーターは地中に向かってレーダー波を発射し、埋設管にぶつかると反射されるという特性を活用して、埋設管までの距離を推定します。
①埋設管を横断する方向で走査
②走査中は地中に向けて電波を発射
③埋設管で電波が反射
④双曲線の探査画像を生成

レーダーロケーターの探査と、得られる探査画像
レーダーロケーターの探査画面イメージ
画面イメージ

現状の課題

配管状況や土質によっては判定が難しいケースもあり、確実な埋設管の位置把握には熟練技術が必要です。

判定が難しいケースの例

AIによる埋設管判定

少量サンプルで学習が可能なAI技術「スパースモデリング(HACARUS社)」を活用し、熟練者の判断を学習したAIを開発しました。AIは現場作業員の平均よりも高い判定精度を実現しており、これを地中レーダーに搭載することで、誰でも簡単に埋設管を判定することが可能となりました。

埋設管の判定イメージ(図)
埋設管の判定イメージ(画面)
現場作業員の平均とAIによる検出率と余分検知率の比較表