大阪ガスネットワーク大阪ガスネットワーク
Daigas Group 大阪ガスグループは、Daigasグループへ。

心と身体のリセット習慣

イライラを味方に変える!アンガーコントロール入門②

前回のコラムでは、怒りのメカニズムや感情を鎮める具体的なテクニックについて学びました。しかし、怒りはただ抑え込めば良いというものではありません。今回は引き続き、怒りを前向きなエネルギーへと変える方法や、円滑な人間関係を築くためのコミュニケーションのポイントを解説していただきます。

心と身体のリセット習慣

〜怒りを成長のエネルギーに変える〜

怒りを前向きな力に変える

暑さが厳しくなるこの時期は、疲れや睡眠不足などから、普段よりもイライラしやすくなることがあります。しかし、「怒り」は決して排除すべき感情ではありません。大切なのは、怒りに振り回されるのではなく、その感情と上手に付き合うことです。

一般的に、「怒り=悪い感情」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。では、「怒り」は本当に悪い感情なのでしょうか。もう少し考えてみましょう。人は怒ると交感神経が優位に働きます。角度を変えてみると「今、動くための準備が整った」とも解釈できます。つまり、怒ることによって「エネルギーを得た」ということになります。

青色発光ダイオード(LED)の開発者で、ノーベル物理学賞を受賞された、中村修二氏をご存じですか? 中村氏は、その研究過程において、「怒りがすべてのモチベーションだった」として、怒りが研究開発の原動力になっていたとコメントされています。 ここで伝えたいことは、「どんどん怒ってください」ということではなく、「怒りの表現の仕方を変えていこう!」ということです。「怒り」の対象への表現の仕方を間違えてしまうと、周囲に対して迷惑行為として捉えられてしまいます。

つまり、怒ることが悪いのではなく、『怒り』の表現の仕方によって善にでも悪にでもなるということです。


                                                怒りを前向きな力に変える

怒りをリクエストへと転換する

「怒り」の原因の一つに、「自分の想いが伝わらない」というものがあります。相手に自分の思考や行動を理解してもらえない時、皆さんはどのようにしていますか? 対人関係でイライラしないための心構えや行動を4つ紹介しましょう。

  • 1. 自分基準を止める
    「自分にとっての常識が、世間にとっても常識である」という固執した考え方は、意見の異なる相手に対して否定的な態度を取ったり、否定的な言葉をかけたりすることになります。人の考え方は十人十色で、2つとして同じモノはないという認識を持ち、相手の意見をしっかりと聴く耳を持ちましょう。

  • 2. 「相手に察してもらえる」と思わない
    長年連れ添った夫婦間で、夫「アレ、取ってくれるか?」妻「新聞ですね、どうぞ」といった、「相手の言わんとすることを察する」場面をドラマや日常で目にしたことはありませんか?さすが阿吽の呼吸だ!と感心しがちですが、これを当たり前にしてしまうことで、「察してもらえない」ことによる怒りが発生します。「言葉を使わずに相手の気持ちを慮ることは不可能である」という認識を持つことで、相手に対して「察してほしい」という期待はなくなります。期待がなければ裏切られることがないので怒りも発生しません。

  • 3. 「物事の正解は一つ!」ではないと受け入れる
    「選択肢はこれしかない!」とか、「○○すべきだ!」といった、物事の正解や結論を固定してしまうと、異なる意見を持った人から反論や反発を受けます。怒りはそれを受けて発生します。いろいろな価値観や考え方を柔軟に聴き入れる技術こそが怒りを抑えるテクニックになります。「○○な考え方もあるんじゃない?」とか、「○○してくれると嬉しいなぁ」など、表現の仕方を少し緩めることで相手の受け止め方も大きく変わります。

  • 4. 感情だけでは解決しないと考える
    感情的になった挙句、暴力や高圧的な態度や言葉で問題を解決しようとしても状況が変わることはありません。逆に、「危ない人」とか「短気な人」という印象を持たれて、誰からも相手にされなくなり、孤立していくことになります。感情的になる前にひと呼吸して冷静に考えましょう。

日常意識しておくべきこと

ここまでお読みいただき、「怒り」に対する見方が少し変わったのではないでしょうか。怒りは決して悪い感情ではなく、その表現の仕方によって善にも悪にもなります。そして、その「表現の仕方」には日頃の心構えが重要になってきます。

「怒り」は二次感情なので、一次感情(不安や心配事、悲しみなど)の整理整頓をすることで「怒り」へ直結するルートを減らしましょう。日頃から自分の一次感情を把握し、ネガティブな感情をできるだけ発散するように心掛けましょう。

最後に、「嫌われる勇気」で有名な心理学者、「アルフレッド・アドラー」はこう言っています。 『感情は車を動かすガソリンのようなもの。感情に支配されるのではなく利用することだ』と。

アンガーコントロールとは「怒らないこと」ではなく、「怒る必要のあることには上手に怒り、必要のないことには怒らない」という技術ということになります。皆さんも上手に怒って行動の原動力にしていただくことを祈りつつこのコラムを終えたいと思います。このコラムが、あなたの毎日を少しでも穏やかで、笑顔の多いものに変えるきっかけになれば幸いです。

\ ポイントまとめ /

●怒りは「行動のエネルギー」:
怒りは交感神経を優位にし、前向きな行動や成長へのモチベーションに変換することができます。
●期待を手放し、柔軟に受け入れる:
「察してほしい」「正解は一つ」という固定観念を捨て、多様な価値観を認めることが怒りの予防になります。
●日頃から一次感情をケアする:
怒りの元となる不安や悲しみといった「一次感情」を把握し、こまめに整理整頓して発散することが大切です。
10歳若がえり隊

怒りという感情を無理に押し殺すのではなく、自分を動かすエネルギーとして上手に乗りこなす視点が大切ですね。日々の一次感情と丁寧に向き合いながら、ストレスの少ない軽やかな毎日を過ごしていきましょう。

情報提供: 日本統合医学協会
日本統合医学協会認定 メンタルセラピスト
丸山直樹