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10歳若がえり隊隣のスーパーアスリート

長谷川 亮さん

元ボクサーが体と向き合い
掴んだ生き方

長谷川 亮さん
RYO HASEGAWA

プロボクサー引退後、体重が100キロ超えに!

「空は飽きないね」と、窓の向こうへ目をやり、遠くに見える山々について語りながら、和やかにインタビューがはじまった。長谷川亮さんは元プロボクサーで、現在は名古屋でパーソナルジムを経営する傍ら、山をこよなく愛する登山家でもある。長谷川さんのもとには口コミだけで、全国から名だたる経営者や著名人、アスリートが訪れる。この日も東京から週3回通われているお客さまがお帰りになった後だった。

元はバンタム級のプロボクサー。「強くなりたい」という男の憧れで志し、戦ってきたが、度重なる怪我で引退。その後、怠惰な生活を続けてしまい、気づいたら体重が100キロを超えてしまったという。しかしあるきっかけで一念発起。そこから3カ月、食事を変え、運動することで35キロの減量に成功した。

「カラダが変われば人生は変わる」

自らの体験から体の内側の要因を見つめ、「人間の思考のメカニズム」を徹底追求したメソッドが、現在経営するパーソナルジムの土台となっている。

長谷川 亮さん 元はバンタム級のプロボクサー

楽しみをひっつけると習慣化できる

日頃、指導で大切にしているのは「とにかく習慣づけること」だという。一時的に痩せても、続かなければまたもとに戻る。リバウンドしないためには、今までなぜ太っていたのかをみつめ、適度に運動する習慣を毎日の生活に取り入れていくことが大事とのこと。
「どう楽しくやるか」をお客さまと一緒に考え、その人の好きな形で実践してもらう。職業や立場によっても時間の使い方が異なる上、性格によっても楽しみは人それぞれだ。

時には「一緒に行きますか?」とお誘いして、自然の中で合宿をすることもある。浜辺を散歩したり、軽いノックをしてボールをとってもらう。そして、おいしいものを食べて帰る。体重は減らないけれど「楽しかった、またやりたい」という動機づけをすることが目的だ。
「運動にせよ、食事制限にせよ、楽しみをひっつけることが大事なんです。苦しみだけだと続かない。休日に子どもとキャッチボールをするなどでもいい、楽しさをどうやってくっつけるかという工夫が、習慣化する上で大切ですね」

楽しみをひっつけると習慣化できる

食事はこだわりのチョイスを

長谷川さんは、食事にはとてもこだわっている。
「なんとなくラーメンは食べないですね、もはや無駄っていうか(笑)今、この限られた時間を使って、同じカロリーの食事をするなら最高なものを食べたい。例えば、自転車で100キロ走ったなら何を食べてもいい状態だけれど、そこで最高なものをチョイスして食べるのは幸せの極致ですよ」
それは、なにかご褒美的に高級なものを食べるということではない。旅先でも山を歩いたあと、地元のイチオシ食材を買ってきてキッチン付きの宿で料理して食べることもあるそうだ。こういうものを食べたいと、自分でテーマを決めて食べることこそ最高の食事。こんな風に、生活の一瞬一瞬に、「最上」というこだわりをチョイスしていく習慣は素敵だ。

食事はこだわりのチョイスを

登山の魅力

旅好きな長谷川さんは、山には当初、カロリー消費の延長で行きはじめた。今ではすっかり魅了され、頻繁に山へ入り数々の美しい景色を写真に収めている。

「南アルプス縦断をした時に、約120キロを8日間かけて歩いて、なんと晴れて景色が見られたのはたったの2、3時間しかなかったんです」その後、延べ19日間かけて同じルートをもう一度歩き、いい景色に出会うことができた。
「あの時もし見えていたら、こうだったのかと思って見る景色と、その時いきなり見えた景色は違うんですよ。やっぱり苦労した分だけ素晴らしいと思えるから。」

真っ白な雪山を歩くのは大変である。さらに美しい夕景を見るために、いい場所で待つということは遮るものが一切ない厳しい環境で待つということになる。
「より美しいものを見ようと思えば、より厳しい環境っていうのが必ずセット」と長谷川さん。それはスポーツの世界でも同じだ。上にいくほどその座を狙う人と競い合う厳しい世界にいる。その分、チャンピオンを掴んだ者は勝ちの達成感が違う。

登山の魅力 登山の魅力

見えないものを大事にすること

「自然には、見えているのに見えないものがある。
その逆で、見えていないのに見えているものがある」

日々のトレーニングに加え登山をはじめてからは、人の心も含めて見えないものがよく見えるようになり大切にするようになった。見返りや結果をもとめず、淡々と徳を積み続けたいという。

「徳って何かというと、まず足元にあるゴミを拾うこと。おっさんになると、体脂肪とか体の内側も汚れてくるので(笑)それは運動で出すとして、不摂生しないなどの生活習慣、言葉使いや人に対する態度において、ありとあらゆる面で、これをやったほうがいいということを選択し続けることなんですね」

そんな風に意識することはいったい1日に何回あるだろうか?
「3回ぐらいじゃ無理ですね。意図的に何百回、何千回とやる。人が見ていないからやらないではダメ。それって、ちゃんと癖になって、人がいるところでやらかすんですよ。人が見ていないところでどれだけやるか、無意識にいい癖が出ることで、君は素晴らしいなと信頼を得ていく。そうなれば人生は変わるんです」

結果を出すことではなく「徹底的にやる」ことを目的としている。桃栗3年柿8年というが、長谷川さんは13年目。トレーニングも昨日を下回ったことは一度もない。ここまでくるともはや続けられなかったらどうしようという不安はない。きついことを何年もやっていることに自信があるし胸を張れる。

見えないものを大事にすること 見えないものを大事にすること

人生を楽しむところでは金メダルをとりたい

「人の成功って、唯一無二の存在になることだと思う」
いわゆる脚光を浴びることが成功ではなく、どのように唯一無二に、代わりのきかない人間になるかが成功だと長谷川さんは考えている。

「50歳でもあれだけできる人がいるんだと思ってくれる人がいて、何か悪い習慣が少しでも良い習慣にシフトしてもらえたら嬉しいし、それが今の自分の幸せです」

「僕は人生を楽しむところでは金メダルをとりたい」

人生において大切なことはシンプルだけど難しい。誰かと比べたり、競うわけではなく、ただ自身の心と体を磨き続け、自分の人生をまっすぐ生きる長谷川さんの姿は実に美しい。

人生を楽しむところでは金メダルをとりたい

インタビュー・文/中野 佳代子
(10歳若がえり隊 編集長)

長谷川 亮さん プロフィール写真

長谷川 亮

<経歴>

「人生を変える」「思い通りに生きる」とはなにかを10年以上徹底追及し、自分自身の肉体改造の経験をもとに人生を変えるパーソナルジム「ターニングポイント」を創設。口コミだけで全国から経営者、著名人、アスリートが通う。
現在は複数の会社の顧問を務める傍ら、山をこよなく愛する登山家でもある。