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10歳若がえり隊隣のスーパーアスリート

佐藤 敬子さん

いくつになってもやればできる!
自分を生きる女性リーダー

佐藤 敬子さん
NORIKO SATO

キャリアウーマンから専業主婦へ

大学卒業後は商社に就職。いわゆる女性総合職の1期生として会社から期待を受けていた佐藤さんは、入社してほどなく一年間のアメリカ駐在員生活を送る。しかし帰国後、大学時代から付き合っていたご主人と結婚し、専業主婦となった。

しかしあまりの生活ギャップに「何かに夢中になりたい」との思いで、ジャズダンスとエアロビクスのレッスンに励む。「26歳のときエアロビクスの大会で優勝して、マグロ10キロを賞品にいだきましたよ(笑)それが唯一、スポーツ絡みで自慢できる経験です」

やっぱり社会に出て働きたい・・・約2年間の就職活動後、翻訳会社にアルバイトとして入社。その後、正社員雇用され、再び仕事第一の生活に戻ることになった。

佐藤 敬子さん

アルバイトで入社した会社で社長になった

社内でもアメリカ人の同僚とは英語でコミュニケーション。20代後半にはチームリーダーを任された。年代、国籍、考え方も違う環境で、厳しい納期を守らなければならない。当時は深夜まで残業するのも当たり前の時代。男女によらず、実力が認められる社風だった。

「仕事は、自分がどれだけ成長したかを測るバロメーターでした」

仕事を通じて自己成長を楽しみながら邁進した結果、専務取締役として12年、のちに代表取締役として10年、経営に携わった。「長年、情熱を注いだ仕事でしたが、人生の残りの時間を自分、両親、家族に使いたいと思いました」
2015年に社長引退し、次なる一歩を踏み出した。

佐藤 敬子さん

早期リタイアして、世界一周の旅へ

世界一周はいつか行きたいと夢見ていた。
「ありきたりですが、世界は広いなーって思いました。自分は英語しかしゃべれないけれど、英語も通じない国もたくさんある。仕事とは異なるシーンで価値観の違いを肌で感じるのは新鮮でした」
海外出張ではなく、好奇心で異国を訪れる自由さ。予測できないハプニング。見知らぬ人の助け。何もかもが新鮮だった。
「自分の好きなこともせず、何のために大変な仕事をしていたのか、とも思いましたね(笑)」
全力で駆け抜けてきたからこそ、仕事で馴染んできた海外にプライベートで触れた時、自然と心が、自分らしい立ち位置を探しはじめたのかもしれない。

佐藤 敬子さん 佐藤 敬子さん

“内なる私”を引き出す写真家との出会い

ある日、友人に誘われて、写真を撮ることになった。もともと恥ずかしがり屋で、写真は苦手だ。しかし撮られているうちに、子どもの頃に戻るような安心感を覚えた。

これまで、「社長でなければ」など「鎧」を身にまとっていた自分に気づいた。それを、写真家さんは見事に外して素敵に撮ってくれた。できあがった写真を見て嬉しくなった。
「写真を撮り続けたら、自分は変わる!」
写真を撮ることが楽しくなると同時に、同年代でもこんな風に写真を撮りたい女性はきっといるだろうと思った。そこで、Facebookで写真をオープンにし、同世代に向けて写真の楽しさを発信することにした。

佐藤 敬子さん

ミセスコンテストに2年連続日本大会進出
(2022年 グランプリ受賞)

2020年に還暦を迎え、当初は2回目の世界一周を予定していたが、コロナ禍で断念。とはいえ、還暦を記念する何かがしたい。友人に誘われてミセスコンテストにチャレンジすることにした。人生の前半は、仕事が第一で、自分を綺麗にすることを疎かにしてきた。

「女性として生まれて、大事なのに大事にしてこなかったことを、これからは大事にしてみようと思ったのです」

初回は賞に入らなかったが、だんだん悔しくなり、3度目のチャレンジで見事グランプリを獲得。2021年、2022年と2年連続、日本大会への出場を果たした。
コンテストにチャレンジしたことで、「自分で自分を縛る必要はない」という気づきを得た。よく、周りの人の言うことや、どうみられているかが気になり、一歩踏み出せない人もいるが、それは言い訳にすぎないという。「本当に自分がやりたいことがあるなら、やったほうがいい」と、自らが実践者だからこそ言える確信に満ちた言葉は力強く響いた。

佐藤 敬子さん

「やればできる」を証明していく

佐藤さんは、日本人女性について「本当はものすごくできるし、やればできるのに、可能性にフタしている人が多い」と感じている。これまで海外の人と関わってきて、日本人以上に、海外の人はみんな自分に自信を持っていることを知っている。

「みんながもっと自分のことを認めて、自分はできるんだ、って思えるようになったら、他人に対しても、もっと寛容になれると思う」

多文化と接して、心を寄せ合うコミュニケーションは昔よりさらに求められる時代。異なる価値を受け止める大らかさ、しなやかさは、自分を認めることから始まるのかもしれない。

「実は私も以前はコンプレックスがいっぱいあったんです。でも結局のところ、私は私。できる部分もできない部分もぜんぶ私。できないからダメなんじゃないと気づいたら、どんな私も楽しくて仕方ありません」

佐藤敬子さん、62歳。はじける笑顔とチャレンジは、たくさんの人を繋ぎ、勇気を与えている。人生を賭けて、成長進化し続けることを証明してくれる、本物の女性リーダーだ。

佐藤 敬子さん

インタビュー・文/中野 佳代子
(10歳若がえり隊 編集長)

佐藤 敬子さん プロフィール写真

佐藤 敬子

<経歴>

1960年、三重県生まれ。南山大学卒業後、30年以上海外取引業務に携わる。2015年翻訳会社社長を退任後、心理学、ヨガ、レイキなど、心身ともに健康で幸せな人生を送るための学びを深め、個性心理学セミナーの講師となる。
趣味はダンスと海外一人旅。渡航回数120回超、訪問国41カ国。2016年にはビジネスクラス世界一周周遊券で五大陸を回る。
現在は海外雑貨販売、マナ・カードセラピスト、通訳翻訳ボランティア、中小企業広報支援など多方面に活動する傍ら、新たな挑戦として出場したミセスオブザイヤーにて、2021年から2年連続、レジェンド部門グランプリを獲得。愛知県代表として日本大会へ出場。